「心理的安全性」を邪魔するもの
こんにちは。
Spark Lab(スパークラボ)の清川 絹です。
いよいよ学校も新学年がスタートしました。
コロナでの休校明けから、学校に行きたくない朝があった娘を、
いつも支えてくれた校長先生と、もう一人の頼もしい先生が異動になり、
私は少し心もとなさを感じる春です。
どんな時も、
「何を言っても、何をしても、何をしなくても、大丈夫」
という安心感を与え、
本人の中に「小さなやる気」が生まれると、
それを敏感に察知してくれる先生たちだったな、と、
感謝を持って思い出しています。
さて今日は、この「安心感」、
最近は企業でもホットな話題である「心理的安全性」について、
書いてみたいと思います。
効果的なチームに共通する、重要な要素
「心理的安全性」は、最近本屋さんでも書籍が山積みになる分野ですが、
注目を集めている背景には、米Google社が2012年から行った
「プロジェクト・アリストテレス」での、
「効果的なチームを可能とする条件は何か」を導き出すための研究があります。
この研究では、「どんな能力を持ったメンバーがチームにいるか」よりも
「どのように相互に信頼し、協力し合えるか」の方が
生産性を高める因子として重要であることが明らかになりました。
また、チームの効果性に影響する、最も重要な因子として
「心理的安全性」が挙げられました。
心理的安全性とは
心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの
結果に対する個人の認知の仕方、つまり、
「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、
このチームなら大丈夫だ」
と信じられるかどうかを意味します。
出典: https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/steps/identify-dynamics-of-effective-teams/
企業内の1on1が難しいわけ
前回のSpark Lab 通信でも、企業内の1on1に触れましたが、
1on1で難しいと感じる方が多いのが、
その「心理的安全性」をどう確保するか?という点です。
上司・部下の関係性の中だと、
どうしても「評価する人・される人」の縛りがあります。
そのため、
できないヤツだと思われるんじゃないか
やる気がないと思われるんじゃないか
評価が下がるんじゃないかという不安が頭をよぎり、
なかなか本音を言えないという現状があるようです。
純粋な好奇心がわけば、評価マインドが消える
ルミナ・スパークを使ったワークショップを運営していると、
この「評価されるかも」の不安をサラッと乗り越えている人が多いように感じます。
その理由として、
自分が何を無意識に大切にしているのかを目の当たりにし、
ある種の「ショック」を受けて、自分の中の「当たり前」が、
いい具合に揺らいでいる状態だからではないかと思います。
何かがとても強く(弱く)出ていたとか、
相対する要素が両方高く、自分の中にある葛藤を理解したとか、
自分の経験の中で、うっすらとずっと感じてきたことが言語化されると、
一つ、自己理解が進みます。
例えば、私は「内向性」が強く、「外向性」が弱く出ていました。
「やっぱりね、私社交的じゃないし」という第一印象を受けた後、
「それは強みなんですよ」と解説されるのです。
つまり内向性は、「人と繋がるのが苦手」なのではなく、
「自分ときちんと繋がることでパワーが出る」という資質だということとして
理解が進みます。
「何が苦手か」と考え慣れていたところに、
「何が得意か」という問いが投げ込まれ、
新しい前提で考え始め、資質を強みとして発揮していくことができるようになります。
その上で、他の人のルミナ・スパークのポートレートを見ると、
自分のポートレートを見た時と同じように、
普段その人に感じていることが、数値化されているのを目の当たりにします。
面白いのは、目の前にあまりにも自分と違う結果が出てきたとき、
純粋な興味がムクムクとわいてくることです。
また、自分は普段、モヤモヤ葛藤しているようなことを、
軽快にこなしている人の話も、聞いてみたいと思うようです。
心理的安全性を考えるとき、少し難しく考えるのをお休みして、
まずは自分の思考や行動の背景にある、
無意識に発揮している資質に目を向け、
ダメ出しせずに、何を大切にしたいのか、
耳を傾ける習慣をつけてみてはいかがでしょうか?
自然と周りの人にも好奇心がわいて、評価マインドが消えていくかもしれません。
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