「やり過ぎ」を恐れて、強みが発揮できない

こんにちは!

Spark Lab(スパークラボ)の稲場泰子です。


私の母は最近健康にとても気を遣っています。

健康に良い、ということで、腹式呼吸を意識して行い始めました。


ところが、昨日会って様子を聞くと、

「腹式呼吸はやり過ぎると良くないという記事があったのよ」

と心配顔で言います。


母が見せてくれた、お医者様が書かれた新聞記事の切り抜きによると、

「胸式呼吸も大事なので、腹式呼吸のしすぎは良くない」

ということでした。


なるほど。


では、母は健康に支障を来たすほどの腹式呼吸をしているでしょうか?


多分していません。

(「鬼滅の刃」の「ヒノカミ神楽」じゃないんですから・・・・。)


あくまでも「ものすごくやり過ぎたら良くない」という話です。


でも、きちんと説得しないと、

母はせっかく始めた腹式呼吸を止めてしまいそうな雰囲気でした。


極端なケースに聞こえるかもしれませんが、

母のことは笑えません。


私達はしばしば「やり過ぎ」を恐れるあまり、

「ちゃんとやる」ことを放棄しているからです。


そうなりたくないから

私は女性リーダーが自分らしいリーダーシップを取れるようサポートする

ワークショップを行っています。


その中で、「3つのペルソナ」の「内在する自分」で

非常に高い点数がついているのに、

「日常の自分」でそのクオリティーが非常に低い方に出会います。


例えば、良くあるのが、

「受容力」(調和のために努力し、対立が生じた時は自分の考えを変えることを厭わない)

というクオリティー。


ある女性リーダーの方は、

「一部のメンバーを受容するとえこひいきだと思われます。

そういうリーダーになりたくないので『受容力』を押さえています。」

と自己分析していました。


しかし、なぜか「行きすぎた時の自分」では、

その押さえていた「受容力」の数値が跳ね上がります。


「受容力」は上手くコントロールできているときは良いのですが、

「行きすぎた」状態になると

「ノーと言えない」というあまり効果的でない行動になってしまいます。


そのことについて聞くと、

「そうなんです、余裕がない時に皆が色々なことを言ってくると、

皆を立てないと、と思って、皆の言うことを聞いてしまって・・・・」

と、困惑顔で答えてくれました。


そして、

「なので、その後反省して、またあまり皆の話を聞き過ぎないようにしています」

と言います。


えこひいきを避けようとしていて、

結果として「Noと言えない人」になってしまう。

反省し、結果としてまた「受容力がいけなかった」と押さえてしまう。


しかし、本当に「受容するとえこひいきになる」のでしょうか?


使うか使わないかではなく、上手く使えるよう磨く

「行きすぎた時の自分」で数値が跳ね上がる主な要因の一つが、

元々持っている性質を日常的に発揮していないためにストレスが発生することです。


自分の性質を「使うか/使わないか」とオン/オフで考えていると、

それがストレス状態になりやすくなります。


では、なぜ折角の強みを日常で使わないようにしてしまうのでしょうか?


1つの要因は、「行きすぎた状態」を避けようとしすぎることにあります。

「受容力」を、心身の余裕のある状態で高いレベルで使えれば、

本来は色々な人の間に立ち、合意と協調を作り出すことが出来るはずです。


折角の強みは「上手く使えるよう磨く」ことが自分らしさの発揮に繋がります。


そして有効に強みを使っていればストレスが高じて「行きすぎ」になる状況も

未然に防げることが増え、結果として「Noと言えない」状況も避けることが出来ます。


強みが自分を有能にする

『受容力』を活かすことで自分らしいリーダーシップを発揮できることに気づいた

この女性リーダー。


その後はメンバーと対話する機会を増やし、

個人に意見を合わせるのではなく、

各メンバーは「受容」しつつ、チーム全体が上手く行く着地点を探すようになりました。


結果として自分のストレスが減り、チームの雰囲気も良くなって

色々な意見が出るようになったとのことです。


「えこひいきがある」と訴えるメンバーもいません。


あなたは、自分が得意なこと、やりたいことを自分に禁じていませんか?

恐れているのは「行きすぎた」状態ではありませんか?


強みを「上手に」使えば「行きすぎ」は防げるかもしれません。


自分の強みを封じ込めている方は、もったいないことをしています。

強みが自分を有能にしてくれるのですから。

Spark Lab

『ルミナスパーク』を使った講座を定期開催しています。 自分の強みの分析/チームビルディング/セルフリーダーシップ/女性リーダーシップなど、「個の時代」の必須スキルを習得しませんか?