あなたの忙しさ、「正当な言い訳」になっていませんか?
Spark Lab(スパークラボ)の稲場泰子です。
皆さんはコロナになってから働き方は変わりましたか?
私はこの2年、98%リモートワークになり、
毎日朝早くから満員電車に乗って出勤し、
夜遅くまで外で働く生活が想像できなくなってしまっています。
そのような中で、時間の使い方について考えることが多くなりました。
ということで、前の号と少し違う切り口で
時間の使い方と嗜好性についてお伝えします。
「犬の道」
ロジカルシンキングについての書籍があります。
「バリューのある仕事をする」ための考え方・ノウハウを
紹介している書籍なのですが、
その最初に「絶対やっていけないこと」として、
「『犬の道』に踏み入れること」とあります。
「犬の道」」とは下の図に関して
「一心不乱に大量の仕事をして右上に行こうとする」ことです。
(イシューとは「何に答えを出すべきなのか」)
(『イシューからはじめよ』 P.27)を編集
これは耳の痛いことです。
自分もつい、たくさん働いていることで
良い仕事をしている気になってしまうことがありますし、
「忙しい」ことが色々なことに取り組まない言い訳にもなっています。
しかも「仕事(家事・勉強・やらなければいけないこと等々)で忙しい」というのは
それ自体「正当」なことなので、
自分にも他人にも「言い訳」になりやすい。
たくさん働きたくなる理由
つい「犬の道」に進みがちなのはそもそもなぜなのでしょうか?
その動機は人それぞれなのではないかと思います。
ルミナ・スパークでは「行き過ぎた時の自分」という状態を計っています。
24あるクオリティー全ては強みになり得ますが、
ストレスがかかって「行きすぎた」状態になると
自分や周囲にとってよくない状態になることがあります。
「犬の道」に進んでしまっているときも、
この「行きすぎ」の状態が関係することも多いと感じます。
例えば、私は
「主導力がある」(周囲をまとめ導き、権限を伴う地位に惹かれます)
というクオリティーが強く、
「内在する自分」「日常の自分」「行きすぎた時の自分」
全てで非常に高いです。
仕事において、特に何か新しい事をする際には
この強みが非常に上手く機能します。
しかし、これが行きすぎると「支配的になる」という状態になり、
他の人に色々と求めるだけでなく、
「もっと良い仕事をするために」と
色々と新しいことを見つけてコントロールしはじめ、
いつの間にか長時間会議をしたり働いたりしてしまいます。
結果として自分も周囲も疲れさせることになりがちです。
この状態になっている時は、正に「犬の道」に踏み込んでいます。
「主導力がある」の反対のクオリティーは
「親密」(相手の話をよく聞き、1対1の会話を好みます)です。
私にはこのクオリティーはありませんが、
真逆のこのクオリティーを持つ人は、
色々な人の意見を調整し、よい関係性や雰囲気が作れるという強みです。
しかし、行きすぎると、「受け身姿勢」という状態になります。
この状態になると、色々な人と1対1で話し、
色々な人の意向を満たそうとしすぎることに
時間を使ってしまい、「犬の道」に入ってしまいます。
つまり、誰でも自分の強みを使いすぎてコントロールを失うと、
「犬の道」に踏み入れる危険があるのです。
そして、それは「強み」を使っているので自分で気づきにくいのです。
「犬の道」にいることに気づくには
自分が「犬の道」にいることに気づくのは難しく、
気づいたとしてもなかなか認めたくないものです。
私もしょっちゅう踏み入れています。
思うに、自分に意識が向きすぎていると「犬の道」に入りがちな気がします。
なかなか自分でも出来ていないですが、
自分で「犬の道」に踏み入れていることに気づく方法の一つは、
「今何のためにこれをやっているんだっけ?」
「周囲と自分に取って一番いい結果になるんだっけ?」
と立ち止まることだと思います。
ランチでも、コーヒーを入れる瞬間でも、
ちょっと仕事や作業を離れたときに考えてみる。
これらの問いに明確に答えられないとき、
「犬の道」に入っている可能性が高いと
自分では感じています。
もう一つは、人に聞いてみること
「今これに向けてこうしているけれど、あなたからどう見えますか?」
ということを聞いてみる。
実は他人の方が冷静に見えていて、非常に良い示唆をくれるものです。
私自身も信頼する人に指摘されて気づく方が、
自分で気づくよりも多いと感じます。
人生は短いです。
「犬の道」にいたらなるべく早く離れたいものです。
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