「呪い」はどこから来るのか<呪術廻戦編>

Spark Lab(スパークラボ)の稲場泰子です。


運動会の季節ですね。

小学生の頃、騎馬戦で負けた時、クラスの何人かが

「向こうのチームは最初にスタートラインから少し出てたからずるい」

と言っていたことをふと思い出しました。


徒競走じゃないんですから、それが勝敗に影響するわけないのに、

負けるとやっぱり人のせいにしたくなるものです。


さて、本日は

『呪術廻戦 0』をネタに、

上手く行かない人間関係について書きたいと思います。(ネタバレあり)


自分を「いい感じ」にしてくれる人

皆さんは「この人と一緒にいるとすごく『いい感じ』でいられる」という相手はいますか?

多かれ少なかれいらっしゃる人は多いと思います。


不思議と会話が弾み、話していると面白い話やアイデアが浮かんできて、

それを話すと相手も喜んでくれてずっと話していられる。

その人といると自分も「ご機嫌」でいられる。

私も幸いなことに何人も浮かびます。


英語の表現に

“You bring the best out of me”

というものがあります。私の大好きな表現ですが、まさにそういうことを言える相手です。


「呪い」はどこから来るのか

一方で、「この人と一緒にいるとなんだか自分が嫌な人になる」という相手もいます。

いつもだったらそのようなことがないのに、

話しているうちに、感情的なやりとりになったり、

逆に変な「間」が空いて気まずくなったり。


そんな時、つい相手が悪い、と思いたくなってしまいます。


呪術を扱う「呪術高専」を部隊とした『呪術廻戦 0』では、

最上級の「呪い」に取り憑かれている「乙骨憂太(おっこつ ゆうた)」が主人公です。

自分の幼なじみの「祈本里香(おりも とりか)」に呪われ、

そのために常に自分の周辺で人が傷つき、不幸になっていきます。

「乙骨」は、どうにかこの呪いから逃れたいと悩み続けています。


しかし、「呪い」を「祓う」訓練を受け、自分と向き合い、試練に立ち向かう中、

呪いをかけていたのは、実は自分の方だった、

ということに気づくのです。

それがわかった時、「乙骨」は解放され、自分の真の力に目覚めます。


人間関係には日々こういうことが起きているのではないでしょうか?


私にも経験があります。


いつも攻撃的で、常に私の落ち度を指摘し、

「私のほうが正しい」と「マウンティング」をしてくる友人がいました。


実力があり、根は気の良いその友人と一緒に働こうと努力しましたが、

彼女の言動に対してついこちらも攻撃的になることが多く、

しまいには体調に変調を来たすほどストレスを抱え込みました。


まさに「呪われている」気分でした。


あるとき、また2人が感情的にぶつかり、言い合いになりました。

すると、その友人は

「あなたはいつも私のことを認めない!認める気なんて無いんでしょ!!」

と爆発しました。


その時ハッとしたのです。

向こうは私に「呪われている」と思っている。

そしてそれから身を守ろうと攻撃的になっていたんだ、と。


もちろん、こちらから積極的に危害を加えたり

意地悪をしようとしたりしたことはありません。

しかし、お互いに相手の被害者になっていたことは確かです。


つまり、「呪われている」と思っていたが、実は自分が「呪っていた」のです。


人間関係で上手く行かない時、

相手をそうさせているのは自分かも、と思えば、

自分の言動をまず変えることで相手の言動に影響を与えることも可能かもしれません。


「乙骨」の場合は「里香」に

「一緒にいたい」「助けて欲しい」

と伝えたことで「呪い」を克服しました。


自分を嫌な人間にさせる人も、

もしかしたら自分を助けてくれる人かもしれません。


どちらが「呪って」いるのか、ちょっと立ち止まって考えてみませんか?

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