「天命」?「お告げ」?~鎌倉殿編~

Spark Lab(スパークラボ)の稲場泰子です。

本年最後のメルマガになります。

1年間お読み頂いた皆様、大変有り難うございました。


2022年は厳しい出来事が多く、

辛い思いをされている方も多いことと思います。

年末年始はやすらぎや楽しさがあることを祈っております。


今回は大きな話題となり、先週完結したNHK大河ドラマ、

「鎌倉殿の13人」について書きたいと思います。

(ネタバレあり)


「天命」

鎌倉幕府初代執権の北条義時が主人公の三谷幸喜さん脚本の大河ドラマは

驚愕のラストをもって先週終わりました。


暗鬱とした史実を描いているにもかかわらず時に笑いを交えつつ、

しかし重要な問いを心に突き刺す三谷節で軽快に描かれたドラマに、

私も釘付けでした。


最終回について書ければ良いのですが、あまりに重いので、

少し戻って源実朝の暗殺の会について書きたいと思います(これも十分重いですが・・・・。)


鶴岡八幡宮で行われた右大臣拝賀の式の後、石段を降りる途中で

甥の公暁に暗殺される、というのは学校でも習う史実です。


ここに至るまで、ドラマでは実朝と公暁の心の動きを丹念に創作し、描いています。


心優しい実朝は、病死したと聞かされていた兄の頼家が、

実は叔父の義時に暗殺されていたことを知り、

ショックを受けると共に自分が鎌倉殿をやっていて良いのか苦悩します。


公暁もまた同じように病死したと聞かされていた父親の死の真相を知り、復讐に燃えます。

しかし、周囲の関わりや、お互い会話をしたことを通じて

それぞれ気持ちが行ったり来たりするのです。

心が揺れ動いている右大臣拝賀の式の前後、

歩き巫女がふと現れ、実朝と公暁にそれぞれ同じ「天命に逆らうな」と告げて去って行きます。

それを聞き、2人とも「天命」だと悟って悲劇的な決意をしてしまうのです。


「お告げ」

しかし、実はこの歩き巫女は既に認知症のような状態で、

誰彼構わず「天命に逆らうな」と言って回っていたことが後でわかります。

2人が考えたような、お告げでも何でも無かったのです。


私達もしばしば何かを見て、自分の考えを後押しされているように感じてしまうことがあります。

占いもそのような一面があるのではないかと感じます。


先日友人がカード占いをしてくれ、「変化」というカードが出ました。

いわゆる「中年の危機」に陥っていた私は、

「やっぱり何か変えないといけないんだな」と思い、

そこから友人との会話が弾んだのを覚えています。


しかし、仮に絶好調な時にこのカードが出ても、

「きっと今のままで更に良い変化があるっていうことだな」程度に解釈していたかもしれません。


占いを全面的に否定するつもりではありません(結構好きです。)

しかし、実朝と公暁のように、きっと「お告げ」と自分が感じるものは、

「お告げ」だと自分が思えば「お告げ」になるのではないかと思います。


気持ちが落ち込んでいたり、苦しんでいたりすると、

見聞きしたことが「悪いお告げ」に思えてしまうことも多いのではないでしょうか?


しかし、同じものを見ても、「良いお告げ」だと前向きに思えるような

心持ちを持っていられると良いなと思います。


来年は少しでも多くの皆様が「これは良いお告げだ」と思えるような心持ちでいられることを心から祈っております。


良いお年をお迎え下さい。

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