徳川家康、本人に寄り添う視点~「どうする家康」編~
Spark Lab(スパークラボ)の稲場泰子です。
関東では春が本格的にやってきました。
桜の開花宣言もあり、マスク着用も個人の自由となり、
3年ぶりに本当に気持ちが解放されています。
皆さんは如何でしょうか?
私は前回のメルマガで、2022年のNHK大河ドラマ、
「鎌倉殿の13人」について書かせて頂きました。
今回は2023年の大河ドラマ、「どうする家康」について書きたいと思います。
(ネタバレあり)
「寄り添う視点」
松本潤さんが演じる、日々思い悩んで「情けない姿」をさらす徳川家康像に、
重厚な歴史ドラマを好まれる方々には抵抗感のある方も多いようです。
子供の頃からずっと大河ドラマを見続けてきた私にも、その気持ちはわかります。
特に、ファンタジーRPGのようなCG背景には最初はかなり違和感がありましたが、
見始めたらすっかり引き込まれてしまい、今は毎週楽しみに見ています。
歴史上の人物がどのような功績を挙げたかをわかっている、後世の人間の「神の視点」で
その人物の偉大さを描く、というのが長く大河ドラマの潮流だった気がします。
昨年の「鎌倉殿の13人」もそうですが、「どうする家康」は
1人の人間が、先の見えない状況の中、
どのように考え、選択し、喜んだり苦悩したりしたかということを、
本人に寄り添って描いていると思います。
「どうする家康」はそのタイトル通り、毎回様々な選択に迫られて
「どうする?!」と苦悩する家康を、時にコミカルに、時に暖かく、
そして時に突き放した冷徹な視点で描いています。
最近は2回を使って三河一向一揆(みかわいっこういっき)を描いていましたが、
この2回はとても好きです。
戦国時代の一向宗は、「面倒な宗教」「狂信的」のような描かれ方を
ドラマなどでされることが多かったと思いますが、
「どうする家康」では、厳しい戦国の世であの世の極楽にすがるしかない庶民の心情と、
その心情をすくい取り、利用する宗教、
そしてその宗教を利用する武士勢力などが丁寧に描かれ、
新たな視点を色々もらった気がします。
一向一揆を引き起こし、自らの家臣団を真っ二つに裂く選択をしてしまった家康が、
自分を裏切って一向宗側についた家臣の本多正信(ほんだまさのぶ)を前に
「心から悔いておる」と泣き崩れるシーンも印象的でした。
「人物評」
この後、甲斐の武田信玄が三河一向一揆の顛末(てんまつ)を見てきた自分の間者(かんじゃ)、歩き巫女の「望月千代(もちづきちよ)」に家康の人物評を問うシーンがあります。
千代はこのように答えます。
「才は織田信長に遠く及ばず、私がこれまで見た将(しょう)の中でも最も肝の小さいお方かと。」
「ただし、そのことを己自身が誰よりもよくわかっておられる。そういうお方と見受けしました。」
「面白きお方です。」
家康が天下を統一することを知っている私達「神の目」の視点で言うと、
「自己認識が正しい人ほど強い」と言うことを示唆しているのだと思います。
権力者は自分を大きく見せなければいけないとは言え、確かに織田信長も、豊臣秀吉も、
晩年は自身について誇大妄想を抱いていた感じがありますが、
徳川家康は最後までそのような妄想に陥らず、
冷徹な自己認識と現実分析に基づいて動こうとしていたように見えます。
「自己認識」
誰にとっても、ありのままの自分の姿を認識し、受け入れることは最も難しいことかもしれません。
自分のありのままが映った鏡の姿、写真、動画、録音が大好き、と言う人に
あまり会ったことがありません。自分自身も、なるべく見たくないと思ってしまいます。
写真の加工アプリがこれほどもてはやされるのもわかります。
しかし、誤った自己認識のまま現実に対応しようとしても上手く行かない、
ということは理解できます。
ではどうしたら良いのか?
容姿なら鏡を見れば良いのですが、特に内面や能力などはなかなか認識が難しいものです。
Spark Labで紹介しているLumina Sparkのようなアセスメントを受けてみるのは最初の一歩になり得ます。
自分の回答を膨大なデータに照らし合わせて見てみることで、
自分の傾向や強み、そして強みの裏返しとしての課題を知ることが出来ます。
もう一つは、人からフィードバックをもらうことです。
フィードバックという言葉は「だめなところを指摘する」という意味と日本では誤解されがちですが、本当は鏡のように、「自分の状態や相手に及ぼしている影響を情報として返してもらう」ことを意味します。
自分のだめなところを聞くのは勇気がいります。
なので、まずは自分の良いところを聞いてみては如何でしょうか?
手始めに、自分と友達でいてくれる理由を友達に聞いてみても良いかもしれません。
新しい事が始まる明るい春、自己認識をちょっと高めてもっと上手く行くようにしてみませんか?
0コメント