自分の中の「ホラーストーリー」知ってますか?
Spark Lab(スパークラボ)の稲場泰子です。
北国はまだまだ寒い日が続いているかと思いますが、
関東はまさに「三寒四温」の春先らしい気候になってきました。
来週は桜が咲く予報とのこと。季節が巡っています。
さて、今回もアニメ話で行きたいと思います。
前回に続き、
「ゾンビになるまでにしたい100のこと」(通称「ゾン100」)
です。
(ネタバレあり。また筆者は敢えて原作漫画を読まずにアニメを満喫すると決めているので、アニメで描かれているストーリーや設定しか認識していませんのでご了承下さい。)
「思わぬ再会」
「ゾンビになるまでにしたい100のこと」(通称「ゾン100」)
は、ブラック企業に勤める主人公の「天道輝(てんどう あきら)」が、
ある日突然、世の中にゾンビ感染が始まって社会機能が停止したことをきっかけに、
「ゾンビになるまでにしたい100のこと」というリストを仲間と作り、
そこに書いたアイテムをクリアしながら人生を謳歌するという話です。
「実家で親と過ごす時間を作る」をクリアすべく、
「輝(あきら)」は3人の仲間とともに故郷の群馬を目指します。
「陸の孤島」のような奥地にある「輝(あきら)」の故郷は、そのお陰でゾンビ感染を逃れており、
村人達が昔ながらの生活を営んでいました。
そこには「輝(あきら)」達以外にもゾンビ感染を逃れて
都会から逃げ込んできた人達がいました。
その中に偶然、大学で同級生だった「日暮 莞太」(ひぐらし かんた)が仲間とともに避難していました。
「ブラックなリスト」
「日暮(ひぐらし)」も「輝(あきら)」と同じように、仲間と一緒に
「ゾンビになるまでにしたい100のこと」というリストを作っています。
しかしその内容が
- 世界中のドラッグを試す
- ダイナマイトを爆発させる
- 私をバカにしてきた会社を燃やす
というような「ブラック」なもの。
「日暮(ひぐらし)」はなかなか友達が作れず、生きがいも見いだせない人生を歩んで来ました。
リストはその鬱憤を晴らすためのもの。
そして大学時代、いつも楽しそうに友達に囲まれていた「輝(あきら)」を逆恨みしています。
「日暮(ひぐらし)」は鬱憤と恨みを晴らすため、
ある日仲間と一緒に村にゾンビを引き込み放火し、
全てをめちゃくちゃにしようとします。
「本当の願い」
最終的には村人や「輝(あきら)」達の反撃に遭い、
「日暮(ひぐらし)」自身がゾンビに噛まれてしまいます。
ゾンビに変貌しつつある中、「輝(あきら)」に問われます。
「お前の本当の願いは何だったんだ?」
そこで「日暮(ひぐらし)」はついに自分に向き合い、答えます。
「皆と一緒に市民プールに行きたかった」
と。
「日暮」(ひぐらし)は子供の頃、友達と市民プールで無邪気に遊んでいた頃が
一番幸せだったと思い出し、
本当の願いは
「友達が欲しい」
ということだった、と自分で認めるのです。
そう話した「日暮(ひぐらし)」は最後の意識を振り絞り、
他人を噛まないように自ら川に身を投げてしまいます。
「本当の願いをごまかさない」
この回を見て、なんだか不覚にも涙が出てしまいました。
本当の願いを自分でまっすぐに認め、そのために前向きに努力する。
このことは実はとても難しいことなのではないかと思うのです。
「自分に優しくして欲しい」ということ本当の願いなのに、
パートナーを傷つけることを言う。
「もっと力を発揮して認められたい」ということが本当の願いなのに、
会社や上司の悪口を言う。
「穏やかに育って欲しい」ということが本当の願いなのに、
子供をガミガミ怒ってしまう。
私達はなぜ、願いと逆の結果をもたらすことを思わずしてしまうでしょうか?
それは、誤った自己防衛本能が働いてしまうからなのです。
- こちらが先に優しくして、相手に受け取ってもらえなかったら自分が傷ついて立ち直れない。
- 真面目に努力した結果認められなかったら、自分の能力不足に直面しないといけなくなる。
- 穏やかに言うことで子供が言うことを聞かなかったら子供がちゃんと育たず、親としても能力不足が露呈してしまう。
私達はこんな「内なるホラーストーリー」を無意識に思い描いて、
傷つくことから身を守ろうとしてしまうのです。
理屈ではおかしいと思うのに、
(そして、他人のそのような言動を見たら滑稽にすら思うのに)やってしまう。
これは人の脳が持っている防衛反応がなせるエラーなのです。
このエラーは少しずつ修正ことが出来ます。
- パートナーにいつもよりも穏やかな口調・笑顔で話してみて反応を見る
- 指示されたことよりもちょっとだけ品質の高い仕事を仕上げて上司に見せてみる
- 時間があるときに子供に穏やかに話しかけて本人に任せてみる
その結果、どうなったかを見て、上手く行かなかったら修正する。
その繰り返しで「内なるホラーストーリー」は少しずつ書き換わり、
本当の願いが実現される可能性が高まります。
でも何よりも、一番大事なのは
「自分の本当の願い」を、
まっすぐに自分で認めることかもしれません。
「日暮(ひぐらし)」も、実は大学時代に「輝(あきら)」達に食事に誘われていました。
しかし、思わずその場を逃げ出してしまっていたのです。
「友達が欲しい」という願いを持っている自分が許せなかったのかもしれません。
だってそれは「自分には友達がいない」と言うことも同時に認めることだから。
「本当の願い」を手に入れますか?
それとも「本当の願い」と逆のものを手に入れる道を歩みますか?
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