冨岡義勇とヒンメルに学ぶ、自信を取り戻すための秘訣

Spark Lab(スパークラボ)の稲場泰子です。

関東は季節外れの暑さですが、花粉の季節がようやく終わり、

大好きな夏が近づいているので

筆者はワクワク過ごしております。


さて、今回もアニメ話で行きたいと思います。

(ネタバレあり。また筆者は敢えて原作漫画を読まずに

アニメを満喫すると決めているので、

アニメで描かれているストーリーや設定しか

認識していませんのでご了承下さい。)

「ここにいてはいけない自分」

5月より「鬼滅の刃 柱稽古編」の放映が始まりましたね。

来たる大きな闘いのため、鬼殺隊が最高位の剣士「柱(はしら)」達を中心に

全員一体となって修行し直すストーリーが進んでいます。


「柱」が一丸となってそれぞれ隊士の修行に取り組もうとする中、

その中の一人、「冨岡義勇(とみおかぎゆう)」は「俺はお前達と違う」と

一人立ち去ってしまい、稽古に参加しません。


プライドが高いためか、という印象を持ちますが、

主人公の「竈門炭治郎(かまどたんじろう)」が関わるうち、

「冨岡」がそのような態度を取る意外な理由が明らかになります。


実は、彼は鬼のいる森で、闘いながら7日間生き残ることを課される、

鬼殺隊の登用試験の際、怪我で気絶してしまったのです。

一緒に修行した親友が闘って全員を守ってくれたため、

冨岡は鬼を倒さずして合格。

しかし、親友は命を散らしてしまっていたのです。


「冨岡」はその後、厳しい修行を経て実力が認められ、

9人しかいない「柱」に上り詰めました。

しかし、登用試験に「ちゃんと」合格していない自分には、「柱」の資格がない、

と自分を責めていたのです。


「本物の勇者」

ここで作品は変わり、

「葬送のフリーレン」

について取り上げます。


この作品は、いわゆるファンタージ-ものですが、

魔王を倒した勇者一行が帰還したところから始まるという不思議な作品です。


様々な寿命を持つ種族が参加していたその一行の中で数千年の長い寿命を持つ

「エルフ」のフリーレンが、帰還から50年後、

人間の「勇者 ヒンメル」が亡くなった後に、新しい仲間と過去の旅路を辿り、

「ヒンメル」や仲間の想いを再発見していくというストーリーです。


この中で、「ヒンメル」が持っていた

「勇者の剣(ゆうしゃのつるぎ)」のエピソードがあります。

「勇者だけが引き抜ける剣」を引き抜こうとした「ヒンメル」ですが、結局引き抜けず、

「本物の勇者ではない」と言われてしまいます。


その時、「ヒンメル」はこう言います。

「いいじゃないか、偽物の勇者で。
僕は魔王を倒して世界の平和を取り戻す。
そうすれば偽物だろうが本物だろうが関係ない。」

そして、「ヒンメル」はレプリカの「勇者の剣」で魔王を倒し、

伝説の「勇者」として歴史に名を残すことになります。


「インポスターシンドローム」

正当な理由でその地位や立場にいるのに、

「自分は不当な手段でここにいる偽物だ」という思いから、自分を過小評価することを

「インポスターシンドローム」(詐欺師症候群)と言います。


私は社会的に成功している多くの方をコーチングしてきましたが、

この「インポスターシンドローム」を持っている方が意外に多いことに驚きます。


名のある起業で上層マネジメント層や経営層にいらっしゃる方が、

「推薦で大学に入ったから本当の学歴ではない」

「たまたま上手く行ったプロジェクトで評価されてしまったが実力ではない」

等という理由で、「自分は本当な実力はないのに、ここに居ることが不当だ」と

自分を卑下し、周囲に申し訳ない思いを心の奥に抱えているのです。


端から見たら全くそのような事はなく、

地位も実力も周りがうらやむような方なのに、です。


鬼滅の刃の「冨岡」

一種の「インポスターシンドローム」に陥っているといえます。

もちろん、真面目さ故の誠意からこう思うことは理解できます。

しかし、これは自分の実力を過大評価するのと同じくらい残念な事に思えます。


「インポスターシンドローム」に陥っているとき、

私達は「自意識過剰」になっています。

目の前のやれること、他の人に貢献できること、将来の可能性に目が向いておらず、

周囲の評価や、自分の自分に対する評価に目が向いてしまっているのです。


「冨岡」も、大事な局面で

「自分だけ修行に参加しない」という選択をしてしまったのですから。


「インポスターシンドローム」から抜け出す方法

「ヒンメル」が教えてくれています。


「やるべき事に信念を持ち、出来る事をコツコツやって、成果を出していく」

ということです。


信念を達成することで「本物」になるのであって、

過去の経緯や評価は関係ないのです。


誰でも自信がなくなってしまうことはあります。

しかし、そんな時こそ、足下の「今」と「将来」に目を向けることが

救いになるのだと思います。

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