「おいで」が「帰れ」!? ─ 「当たり前」が覆される時
Spark Lab(スパークラボ)の津田友恵です。
2月9日に、ルミナラーニング社で一緒に仕事をしている、信田絵里香さんが元劇団四季の方々等と一緒に、ミュージカル「That’s It! AruAru!」に女優として出演されました。
日本人と外国人がそれぞれに感じる“あるある”をコミュカルなテーマから、ちょっとシリアスなテーマまで表現した作品です。“違い×知る=新しい世界の始まり”という副題は、ルミナの世界観にも通じるところがありました。
当たり前が当たり前じゃない
ミュージカルでは、こんな場面がありました。50年前、あるアメリカ人青年が日本に初めて留学に来た時、ホストの家を見つけると、家の前で思い切り笑顔で「あっちいけ」のジェスチャーをする日本人ホストマザーを見つけます。アメリカ人青年は、ホストマザーの満面の笑みと「あっちいけ」のジェスチャーが、全く反対のメッセージを発信していることに頭は混乱。どうしてよいかわからず、家の前で寝転がって手を上げ、降参のポーズをしたそうです。もちろん、日本人ホストマザーは「あっちいけ」のジェスチャーをしたのではなく、「おいで、おいで」と手招きしていたのですが、アメリカ人青年にはわかりませんでした。
ミュージカルではそんなちょっとした笑い話にもなるような誤解から、日本に住む海外にルーツのある人が「ガイジン」と言われて傷ついたり、ハーフだからとからかわれたり、逆に「ハーフはいいよね」と持ち上げられたりする違和感も表現されていました。
私は日本人ですが、確かにジェスチャーに違いがあることも気づかなかったり、無意識に海外にルーツがある人へ特別な意識があったりするかもしれないと思いました。知らぬ間に、相手に違和感を感じさせていることもあるのかもしれません。
日本に住む外国人は増えている
日本に来る外国人観光客が増えていることはニュースにもなっているし、日々の生活でも実感しますが、日本に住む外国人も年々増加しています。2024年には332万人になり、対前年増加率は10%を超えています。日本の人口減少による対応で、2067年には日本に住む外国人は3倍になり、外国人比率は10%を超えるとも言われています。外部の環境はあっという間に変化をしていますが、私たちの内側の意識は、変化に対応できているのかは疑問ですし、そのことは将来の問題の火種になるかもしれません。
関心をもってみる
ミュージカルでは、日本人と外国人の共通点も紹介されていました。思春期の子供の反抗期と親の葛藤です。日本人にも外国人にも同じように反抗期は訪れ、親は悩むそうです。そんなことを改めて知れると、ぐっと自分と変わらない、近い存在に感じられる気がしました。
日本のテレビ番組では、「日本はすごい」という論調のバラエティ番組がありますが、その手の番組だと視聴率が取れるそうなのですが、純粋な海外の話題、ニュースはあまり視聴率がとれないそうです。関心の低さが表れているのかもしれません。
外部変化のスピードに、私たちの内部の変化のスピードがついていけるのか、問われている気がしますし、“違い×知る=新しい世界の始まり”という視点は今こそ大切だと感じます。
作品ホームページ
配信チケット(2025年2月23日まで配信中)
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